熱中症予防に便利な空調服と耐用年数について
空調服は熱中症を未然に防ぐのに役立つ作業服として広く普及しています。工場や工事現場などの作業現場だけではなく、日常生活で用いる衣類としての需要も増加しているのです。その一方で空調服は電動式のファンを使っていることから耐用年数に注意する必要があります。
気温が高い環境でも快適に過ごせるように、空調服の特徴や扱い方について学びましょう。
体温の急激な上昇を防ぐのに便利
空調服は送風用のファンが取り付けられた作業服です。気密性が高い生地で作られた作業服の内部を風が巡ることによって体が冷やされ、体温の上昇を防ぐことができます。従来の衣類は体温が籠ってしまうので、気温が上がるのに伴って体温も上昇する欠点がありました。
特に体を激しく動かすことが多い工事現場や工場では熱中症に陥るおそれもあるため、冷房の使用や水分補給が行われていますが十分な対処法とは言えません。わずかな休憩時間では体温の上昇を防ぐのが困難なのが理由です。
その点、空調服は常に体を冷やすことができるので体温が急激に上昇する心配がありません。空気の流れに触れ続けるので発汗量も大幅に軽減され、脱水症状を回避することができます。空調服は作業服の一種なので工場や工事現場で働く人が多用していました。
しかし、空調服が熱中症予防に役立つことが広く知られるようになってからは作業員以外に様々な職業の人が買い求めています。また、スポーツやアウトドアに便利な衣類としても知られていることから、近年ではおしゃれなデザインの空調服も増えています。
実用品でありながらファッションアイテムとしても活用できるのが空調服の魅力なのです。
空調服の選び方について
空調服は作業服を扱う専門店やホームセンターなどの量販店で購入できる他、作業用品を扱う通販サイトでも人気のある製品として様々な種類が販売されています。体を冷やす効果がある衣類ですが、空気の流れを確保するには大きめのサイズが適しています。
普段着よりワンサイズ大きい物が空調服として用いるのに最適です。
それ以上大きくなると動きにくくなり、弛んだ部分が引っかかって生地が破れたり転倒するおそれがあります。逆にサイズが小さいと服の内側に風が流れないので空調服としての機能が活かせません。また、衣類の一部は表記されているサイズと実寸にわずかな差があります。
空調服も同様なので、タグに書かれているサイズだけで即決せず必ず試着して着心地を確認することを心がけます。通販サイトで売られている空調服は試着ができないので、購入の際は製品に対する評判を確認するのが失敗しないための工夫です。
表記サイズと実寸との差や着心地、気密性などの情報をよく調べたうえで慎重に判断することが重要になります。通販サイトによっては海外の製品を激安品として扱っている所もありますが、表記サイズと実寸に極端な違いがある粗悪品が混在している可能性があるので信頼できる会社であっても購入しないのが賢明です。
空調服の耐用年数の読み方と扱う際の注意点
空調服は他の衣類と同様に生地が次第に劣化します。摩耗によって次第に生地が薄くなり、遂には破れてしまうこともありますが、空調服は気密性が保たれていなければ風による体温調節の効果を得られません。空調服の生地は着用している環境で劣化の度合いが違ってくるので、定期的に状態を確認することが大切です。
また、空調服は送風用のファンや付属機器にも耐用年数があるので注意する必要があります。空調服のファンは付属のバッテリーを電源にして動いていますが、着用している際は常にファンを動かすことになるので充電は必須です。
空調服用のバッテリーは約500回から600回程度が交換の目安とされていますが、使用環境によってはさらに短くなるので慎重に扱わなければいけません。バッテリーは充電を頻繁に繰り返すとそれだけ傷むのも早くなりますが、まったく使用しないのも良くありません。
空調服は使う時と使わない時の落差が激しいので、耐用年数内にも関わらず交換が必要なほどに傷んでしまうこともあり得ます。傷んだバッテリーは充電してもすぐに電気が無くなってしまう他、充電中に高熱を出したり内部で液漏れが生じて膨れることがあります。
傷んだバッテリーをそのまま使い続けると破裂による怪我や感電などのトラブルに見舞われるおそれがあるので注意が必要です。
配線や送風用のファンも経年劣化で性能が落ちるので、バッテリーと同様に定期的な交換が求められます。
空調服の機器を交換する方法
空調服のバッテリーやファンの性能が低下した場合は新しい物と交換することになります。これらの機器は空調服の販売メーカーが交換用の製品として単体で扱っているので、空調服を丸ごと買い替える必要はありません。ファンやバッテリーなどの機器類は簡単に着脱ができるので、購入したその場で交換することが可能です。
バッテリーの充電器は複数を同時に充電できる物もあるので、大勢が作業を行う環境では非常に便利です。製品によっては他メーカーの空調服に使い回すことができる物もありますが、扱いに慣れていないと思わぬ事故を起こす可能性があるので空調服を扱って日が浅い人はメーカーの純正品を使うのが無難です。
空調服の送風機器を交換するには説明書に記載されている内容に沿って作業を進めることが大切です。手順を誤ったり乱暴に扱うと衣類の生地を破いてしまう可能性があるので、丁寧に交換することを心がけます。
丁寧に扱えば長く使うことができる
空調服は生地が破れたりバッテリーが傷んだ時が交換に適したタイミングですが、日頃から丁寧に扱えば長持ちさせることは可能です。衣類については汚れを放置せずにこまめに洗濯を行うのが生地の品質を保つための工夫です。
送風機のバッテリーは過度の充電が劣化に繋がることから、予め予備のバッテリーを複数用意してローテーションで使い回すことを心がけます。バッテリー一個あたりの充電の回数を減らすことができるので、すぐにバッテリーが傷んでしまう心配がありません。
また、バッテリーは電気がある程度残っている方が長持ちするので、空調服を長期間使わない場合でも定期的に充電するのが劣化を防ぐコツです。衣類とバッテリー式の家電製品の扱い方を正しく理解していれば、お気に入りの空調服をより長く愛用することができるのです。